サブミッシブ(submissive)とは、ドミサブ(D/s)の関係で「委ねる側」にあたる人のことです。信頼すると決めた相手に、判断や主導を自分の意思で預ける役割を指します。痛みや強い刺激を受け取ることに惹かれる、と説明されることが多い「M(マゾヒスト)」とは、目を向けているところが違います。
この言葉を調べていて、こんな思いを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
カウンセラーの真柴 渉です。カウンセラーとして、委ねる側の女性と多くお話ししてきました。この記事では、サブミッシブの意味と特徴、Mとの違いを整理したうえで、「委ねたい」という気持ちの正体と、私どもの面談で何をうかがっているかをお伝えします。
サブミッシブは、英語の「submissive(従順な、服従する)」から来た言葉です。導く側のドミナント(Dominant)と対になり、二人の関係をドミサブ(D/s)と呼びます。ドミサブそのものの意味やSMとの違いは、ドミサブ(D/s)とは?ドミナントとサブミッシブの意味とSMとの違いでくわしくまとめています。
「服従する側」と訳されると、言いなりになる人のように聞こえるかもしれません。けれど、ドミサブの関係でのサブミッシブは、誰にでも従う人のことではありません。
この人になら預けられると思える相手を選び、どこまで預けるかを話し合い、合意したうえで委ねる。委ねることを選んでいるのは、サブミッシブ自身です。ここが、この言葉を理解するうえでいちばん大切なところだと思います。
サブミッシブは、略して「サブ」と呼ばれることがあります。D/s の小文字の「s」がサブミッシブを表します。日本語では、主従関係の「従」「従側」という言い方も使われます。サブミッシブは男女どちらにもいますが、この記事では、委ねる側の女性に向けてお話しします。
サブミッシブが委ねる相手が、ドミナントです。ドミナントは、委ねられたことへの責任を引き受け、限度を守って導く役割の人を指します。お相手側の考え方や、信頼できる人の見分け方は、ドミナントとは?意味とサディストとの違い、信頼できる人の見分け方でお伝えしています。
サブミッシブとMは、どちらも「委ねる側・受け取る側」としてひとくくりにされがちですが、目を向けているところが違います。
| サブミッシブ | M(マゾヒスト) | |
|---|---|---|
| 惹かれるもの | 委ねること、導かれること | 刺激を受け取ること |
| 軸になるもの | 関係のかたち(主従・上下) | 行為や感覚 |
| 痛みや強い刺激 | なくても成り立つ | 伴うことが多いと説明される |
| 関係が続く時間 | 日常の中にも続くことがある | 会っている時間が中心と説明されることが多い |
| 満たされる場面 | 相手に預けて、受け止めてもらえたとき | 刺激そのものを受け取ったとき |
サブミッシブの関係は、刺激の強さでは測れません。たとえば、次のようなことも、二人のあいだで決めれば主従のかたちになります。
痛みにはまったく関心がなくても、こうした関係に惹かれる。それは矛盾ではなく、サブミッシブという言葉が表しているのが、まさにその気持ちです。
サブミッシブとMは、どちらか一方に分かれるものではありません。委ねる関係を大切にしながら刺激も楽しむ方もいれば、関係のかたちだけを大切にする方もいます。
私どもは、嗜好は、すでにある型に当てはめるより、二人の関係の中で育っていくものだと考えています。心から入る方もいれば、感覚から入る方も、その両方の方もいます。今の時点で、ご自分をどちらかの箱に入れる必要はありません。
サブミッシブと呼ばれる人には、いくつか共通して見られる傾向があります。ただし、性格がおとなしいことや、控えめであることが、そのままサブミッシブらしさになるわけではありません。
大事なことを、信頼できる相手に決めてもらうと気持ちが落ち着く。自分で決めることができないのではなく、この人の判断になら預けられる、という安心に惹かれている状態です。
約束を守れたとき、相手に受け止めてもらえたときに、深く満たされる。刺激そのものよりも、関係の中で認めてもらえることに重きがあります。
サブミッシブの女性が委ねるのは、信頼すると決めた特定の相手だけです。相手を選ぶ目は、むしろ慎重な方が多いと感じています。「委ねたい」と「誰でもいい」は、まったく別のものです。
お仕事や家庭で、ふだんは自分が判断し、責任を負う立場にいる方もいらっしゃいます。いつも決める側にいるからこそ、信頼できる相手の前でだけは預けたい。そうしたお話をうかがうこともあります。
「誰かに委ねたい」と感じる自分を、弱いのではないか、おかしいのではないかと責めてしまう方がいます。カウンセラーとして感じるのは、その気持ちの中身は、少し違うところにあるということです。
委ねることは、自分をなくすことではありません。この人なら大丈夫と思えた相手に、自分の一部を預ける。 それは、相手への信頼をいちばん深い形で伝えることでもあります。
だからこそ、預ける相手を選ぶこと、どこまで預けるかを決めることは、サブミッシブ自身の大切な役割です。
ひとりで決め続けることに、少し疲れている。誰かに見守られていると感じたい。「委ねたい」という気持ちの奥には、そうした安心への願いがあることが多いと感じています。刺激を求めているのではなく、居場所を求めている、と言ってもいいかもしれません。
委ねたいと感じることは、弱さでも、おかしなことでもありません。同じ思いを持つ方が、この言葉のまわりには大勢いらっしゃいます。名前がつくと、ご自分の気持ちを少し落ち着いて見られるようになる。サブミッシブという言葉が、そのきっかけになればと思います。
イディオは、当人どうしが直接やりとりする形ではなく、事務局が間に入る仲介型の相談所です。ご入会の前に、男性も女性も全員とビデオ通話で面談しています。
ご自分を「M」と考える方も、「サブミッシブ」という言葉のほうがしっくりくる方もいます。けれど、面談で細かな好みまで根掘り葉掘りうかがうことはしていません。うかがうのは、お相手に委ねたい側なのか、導きたい側なのかという、大まかな方向です。
「M」なのか「サブミッシブ」なのか、どの言葉で名乗るかは、面談の時点で決まっていなくて構いません。委ねたいのか、導きたいのか。その方向がおおまかに分かれば、ご紹介を考えることができます。くわしいことは、お相手と出会ってから、お二人のあいだで少しずつ確かめていけばよいことです。大切なのは名前ではなく、どんなお相手となら安心して委ねられるかです。
「M」や「サブミッシブ」という言葉の受け取り方は、人によって違います。たとえば、次のような場面を思い浮かべてみると、違いが見えてくることがあります。
痛みが好きなわけではない、決めてもらえると気持ちが楽になる、といった気持ちは、こうした場面を思い浮かべたときに見えてくることがあります。言葉にしてみて、初めて気づく方もいらっしゃると思います。
男性の面談でも、同じように、導きたい側なのか、委ねたい側なのかをうかがっています。委ねたい女性に、同じく委ねたい側の方をご紹介してしまうことがないよう、ご紹介の前に事務局が方向を確かめられる。これは、当人どうしが直接やりとりする場では難しいことです。
→ イディオの三つのお約束は、トップページの「お預かりしないから、守ることができます。」でご覧いただけます。
委ねたい気持ちが強い方ほど、「ドミナントです」という名乗りだけで相手を信じてしまうことがあります。SNSや掲示板など、当人どうしが直接やりとりする場では、相手が誰なのかの確認も、会う場所の判断も、お断りの連絡も、ご自分で引き受けることになります。
委ねる関係は、「やめて」と言えば止まる安心があって、はじめて成り立ちます。始める前に限度を確かめ合うこと、「これ以上はやめてほしい」を伝える合図(セーフワード)を決めることを、面倒がらずに大切にしてくれる相手かどうか。ここは、最初に見ていただきたいところです。「導く人」と「支配したいだけの人」の見分け方は、ドミナントの見分け方|導く人と、支配したいだけの人の違いでくわしくまとめています。
面談は、手間に感じるかもしれません。けれど私どもは、面談を「会う前に、事務局がお相手と会っていること」の証明だと考えています。イディオでは、男性も全員と面談し、身分証でお名前・ご住所・ご年齢・今のお仕事の内容を確認しています。面談で目的をうかがい、その日限りのお相手をお探しの方には、ご入会をお断りすることがあります。
イディオは、ドミサブの関係を分かり合える方と、真剣なお付き合いやご結婚を目指すための相談所です。お相手のご紹介はトビラの会が行っています。
女性はご入会金・年会費をいただいていません。
※お約束のキャンセルや無断での不参加など、会員規約(トビラの会)に定める場合には、違約金をいただくことがあります。
→ ご面談からお会いするまでの流れは、トップページの「お会いするまで、4つの段階。」をご覧ください。
どちらを名乗らなければいけない、ということはありません。Mは行為や感覚から、サブミッシブは関係のかたちから見た言葉で、両方に当てはまる方もいらっしゃいます。ご自分がしっくりくる言葉を使っていただければ十分です。
サブミッシブの関係は、合意のうえで結び、どちらかが望めば見直せるものです。どこまで委ねるか、どこから先はしたくないかを決めるのは、サブミッシブであるあなた自身です。限度を尊重してくれない相手との関係は、ドミサブとは呼べません。
はい、もちろんです。ご自分がどの言葉に当てはまるか、決まっていなくても構いません。面談でうかがうのは、委ねたい側か導きたい側かという大まかな方向だけです。
「委ねたい」という気持ちに名前がついたら、次は、その気持ちを安心して預けられる相手を探す番です。言いにくいことも、無理のない範囲でお話しいただけます。
ご入会を決めていない段階でも構いません。ご面談は無料で、ご自宅からビデオ通話で受けていただけます。